先週、北越谷駅西口の「顎で喰らえ 北越谷店」でまぜそばを食べて、麺の弾力に惚れました。そのときのまぜそば実食レビューの最後に「次は至高盛りだな」と書いたのですが、2026年8月6日、実際に再訪して頼んだのはラーメン(並)です。至高盛りではありません。
前回あれだけ良かった麺が、スープに浸かったときにどうなるのか。気になっていたのはそれだけです。
食べ終わっての正直な結論を先に書きます。
まぜそばのほうが上でした。
ただし、これは「ラーメンがいまいちだった」という話ではありません。差がついたのは麺の出来ではなく、もっと構造的なところでした。
全部「普通」で頼みました
このお店には、二郎系でおなじみの「コール」があります。カウンターに座ると、目の前の壁にコールの説明ボードが貼ってあって、これが親切でした。
ボードにはこう書いてあります。
★生姜以外は量のみ 上から順にコールして下さい
つまり、「ニンニクマシで、ヤサイ少なめで」みたいに品目名をいちいち言う必要がなく、量を表す言葉だけを、決まった順番で並べればいいという設計です。二郎系で初心者が固まるポイントって、たいてい「何をどの順で言えばいいのか分からない」ところなので、この方式はありがたい。
ボードには例も2つ図解されていました。
- ラーメン →「マシ・少なめ・普通…」とコール → にんにくが少なめで入る
- ラーメン →「マシ・生姜普通・普通…」とコール → 生姜のみ入る
生姜だけは量ではなく品目として扱う、という但し書きがあるのはそのためですね。
なお、ボードの上半分(コールする項目そのものの並び順)は私が撮った写真では見切れていて、正確に読み取れませんでした。ここを推測で書くと嘘になるので、実際の並びは店内のボードでご確認ください。
そして私が実際に伝えたのは、「全部、普通で」の一言です。
増やしていません。無料コールでの増量もしていないし、有料トッピングのアブラマシマシもニンニクマシマシも足していません。理由は、まずこの店が「普通」でどこに着地させているのかを知りたかったから。前回まぜそばを並で頼んだときも同じ考えでした。
券売機の価格については前回の記事に全部書いたので、そちらをどうぞ。ラーメン(並)は前回訪問時点で1,000円の表示でした。飲食店の価格は変わるので、現地でご確認ください。
この日は昼どき、一人での訪問。並んでおらず、すぐ座れました。ただこれは1回の観測でしかないので、「いつでも空いている店」という意味ではありません。
コールしていないのに、この盛り
着丼。

赤い「AGODEKURAE」のロゴが入った例の丼。まず、麺が1本も見えません。
もやしが山になっていて、その頂上を覆うようにアブラの塊がゴロゴロと乗っています。手前には厚切りのチャーシューが一枚、断面がきれいに見えていて、その隣にはほろほろと崩れた部位。そして右側に、こぶし大と言っていい量の刻みニンニク。
繰り返しますが、これで全部「普通」です。
正直、丼が置かれた瞬間に「あれ、何か増やしたっけ」と自分の記憶を疑いました。特にアブラ。
これから初めて行く方への実用的な結論はひとつ。まずは全部「普通」で頼んでください。 増やすかどうかは、この量を一度見てから決めればいい。ボードとにらめっこして順番どおりに言葉を並べる自信がなくても、「全部、普通で」と伝えれば済みます。少なくとも私はそれで通じました。
差がついたのは、麺じゃなかった
さて、本題です。
再訪の目的だった「麺はスープの中でどうなるのか」については、麺の食感で負けた、とは言えません。汁ありにしたせいで麺がだめになった、という話ではないんです。
何が違ったのか。食べながら考えて、2つに絞られました。
ひとつは、味の濃さと絡み方。
まぜそばは、タレが麺に直接くっついています。混ぜた時点で麺の表面がタレでコーティングされる。対してラーメンは、麺がスープの中にいるだけで、持ち上げてもスープはまとわりつくにすぎません。一口あたりに麺が連れてくる味の量が、構造的に違う。この差は、食べ始めてすぐに分かりました。
もうひとつは、食べ進める楽しさ。
前回の記事で、まぜそばについて「自分で完成させていくプロセスにこそ醍醐味がある」と書きました。生卵の黄身を崩して具材とぐるぐる混ぜ、味を自分でまとめていく。あの作業が楽しかったんです。
ラーメンは、出てきた時点で完成しています。もやしを崩して麺を掘り起こす作業はあるけれど、それは「食べるための手順」であって、「味を作る工程」ではない。
つまり私がまぜそばに惚れていたのは、麺の弾力だけじゃなかったということです。ラーメンを食べてはじめて、自分がまぜそばの何を気に入っていたのかが分かった。
スープは飲みやすかった。それでも残しました
味の話を。スープは、思ったより飲みやすかったです。あの見た目からもっとくどいものを想像していたので、スッと入ってくるのは意外でした。
途中で、右に積まれていたこぶし大の刻みニンニクを崩してスープに溶かしてみたら、味がはっきり変わりました。同じ一杯なのに、途中から別の食べ物になる感じ。生の刻みニンニクはかなり効きます。翌日の予定が心配になるレベルで効きます。
もやしはシャキシャキで、歯ごたえがちゃんと残っていました。重いスープの中で、ここが良い休憩になる。チャーシューは、前回のまぜそばで食べたものと同じ印象でした。
二郎系のレビューって「スープまで飲み干しました」で締まりがちなんですが、今回は違います。
スープは残しました。健康面を考えて、意識的に。
まずかったから残したのではありません。むしろ、放っておいたら飲み干していたと思います。ただ、あの量のアブラが浮いたスープを最後まで飲むのは自分の体に良くないだろうと考えて、途中で線を引きました。
麺と具は完食しています。もやしの山も、アブラも、チャーシューも、ニンニクも全部。残したのはスープだけです。
二郎系を「たまに行きたい店」として長く付き合っていくなら、このくらいの線引きはあっていいと思っています。
追い飯100円、今回も回収できず
丼の奥、カウンターの壁際に「追い飯 100円!」のPOPが立っていました。残ったスープやタレをご飯で回収する、あれです。
前回の記事で「次は追い飯を頼みたい」と書いていたので、今回はその気で来ています。
白状すると、私はかなり最後まで諦めていませんでした。
着丼した時点では、まだいけると思っていました。もやしの山を見上げながら「まあ、これくらいなら」と。食べている途中もそうです。半分を過ぎたあたりでも、頭の中には追い飯がちゃんと残っていて、どのタイミングで頼もうかを考えていました。
無理だと分かったのは、完食した瞬間です。
最後の一口を飲み込んで箸を置いた瞬間、体のほうが先に答えを出しました。頼む気がなくなったのではなく、頼めなくなった。しかもスープを残すと決めた以上、追い飯が回収する相手も残っていません。
全部「普通」のラーメン(並)ひとつで、そうなります。この一文が、この店のボリュームを一番正確に説明していると思います。
まぜそば派か、ラーメン派か
2回行って、いまの私の答えはまぜそばです。
でも、この答えにはラーメンが必要でした。ラーメンを食べていなかったら、私はいまも「あの店は麺がうまい」としか言えていなかったはずです。実際には、麺の弾力に加えて、タレが直接絡む濃さと、自分で混ぜて完成させる楽しさ。その3つがそろってはじめて、あのまぜそばだった。
ラーメンは、その3つのうち1つだけを取り出して見せてくれた一杯でした。だから比較として、ものすごく役に立った。
このお店、券売機のラインナップからしてまぜそばが完全に主役です。看板がそう言っているなら、まずはそっちを食べたほうがいい。ラーメンはその後で、比較として食べると面白いと思います。私はその順番で正解でした。
次はいよいよ至高盛りのまぜそば(1,300円)に行きます。今度こそ。追い飯は……たぶん、また入りません。