帰ってから道の駅の公式サイトを見て、少し手が止まりました。私が食べたラーメンは「横瀬ラーメン(紅茶ラーメン)」として紹介されていたんです。秩父産の和紅茶をスープに使っているのだとか。
食べている間、まったく気づきませんでした。
場所は埼玉県横瀬町の道の駅 果樹公園あしがくぼ。同じ敷地内、階段を降りてすぐのところに川があって、子どもとそこで散々遊んだあと、濡れた髪のまま建物に戻って食事処「あしがくぼ食堂」に入りました。頼んだのは横瀬ラーメンの大盛りと、サイドの舞茸天ぷら。自分の分で1,800円です。
道の駅の食事にはあまり期待していませんでした。腹が減っているから何でもうまい、というやつになるだろうと。結果から言うと、その「空腹補正」とは別のところで印象に残ったのはチャーシューでした。紅茶ではなく。
横瀬ラーメン、大盛りで1,300円
注文は入口の券売機で食券を買う方式です。横瀬ラーメンは並1,150円、大盛り1,300円。差額150円なら、と大盛りのボタンを押しました。
運ばれてきたのは黒いトレーに載った一杯。スープは澄んだ茶色で、油が浮いてぎらついている感じはまったくありません。醤油です。それも、こってり系でもなければ流行りの淡麗系でもない、いわゆる昔ながらの醤油ラーメン。麺はストレートで、細めではなく中太寄り。
素朴、という言葉がいちばん近い味でした。
評価は人によって割れると思います。強い煮干しとか、背脂とか、そういう「わかりやすい押し」はありません。飲んだあとに口の中が主張し続けることもない。私は、川で冷えた体に流し込む一杯としてはむしろこれで正解だと感じました。ただ、専門店の攻めた一杯を期待して入ると、拍子抜けする人はいるはずです。
具はチャーシュー、メンマ、ほうれん草、そして小口切りのねぎ。
で、チャーシューです。3枚ほど入っていたのですが、そのうち2枚が明らかに大きい。丼のかなりの面積を占めていて、麺を掘り出すのに少し苦労したくらいです。厚みで殴ってくるタイプではなく、面積で来るタイプ。大盛りの麺と合わせると、食べ終わったときには完全に満腹でした。
大盛りにするかで迷っている人には、量は素直に多いと伝えておきます。
舞茸天ぷら500円は、追加する価値があるか
サイドメニューの舞茸天ぷら、500円。ラーメンの大盛りを頼んだ時点で足りるだろうと思っていたので、これは完全に「せっかくだから」で追加した一皿です。
量の話を先に書きます。大ぶりのかたまりが3つほど。ラーメンの丼の横に置いた小皿に、ちょうど収まるくらいの一皿です。山盛りではありません。子どもと分けるなら、ひとり1つずつが現実的なところ。500円をどう見るかは、この「3つ」で判断してもらえればと思います。
この食堂はうどんにもそばにも舞茸天のメニューがあって、海鮮かき揚げと並ぶ天ぷらの看板です。それを見て、単品でも食べておくかと。
衣は薄めで、噛むと舞茸のほぐれる感じが素直に来ます。ラーメンのスープが穏やかな分、こちらの香りが目立ちました。ラーメンと天ぷらという組み合わせは正直かぶるかと思っていたのですが、意外と食べ疲れませんでした。
ただ、大盛りラーメンとこの3つで、私は完全に満腹です。並盛りに追加するくらいがちょうどいいバランスだと思います。
子ども連れで行くと、どうなるか
この日は大人2人と子ども2人の4人でした。
先に書いておくと、メニュー表にお子様メニューの掲示はありませんでした。私が見た限り、子ども向けのセットもハーフサイズも見当たらない。ただ、実際に困ったかというとそうでもなくて、ざるうどんの並が730円あります。子どもがそのまま頼めて、値段も横瀬ラーメンの並より400円以上安い。お子様メニューがないことへの現実的な答えは、これでした。
うちは子どもが2人で、1人がそのざるうどんの並、もう1人があしがくぼ焼きそばの並850円を頼みました。どちらも大人と同じ1人前です。子ども向けの用意が無くても、この2品ならそのまま頼めます。
その日の注文と会計を全部書いておきます。
- 私 — 横瀬ラーメン大盛り 1,300円 + 舞茸天ぷら 500円 = 1,800円
- 妻 — ざるうどん並 730円 + 秩父名物みそポテト1本 300円 = 1,030円
- 子ども1人目 — ざるうどん並 730円
- 子ども2人目 — あしがくぼ焼きそば並 850円
家族4人で4,410円。子ども2人はそれぞれ1品で、私が大盛りにサイドを足し、妻がみそポテトを1本つけた結果です。大人がサイドを我慢すれば、もう少し下がります。観光地の一角にある食事処で、家族4人が麺と天ぷらまで頼んでこの水準なら、私は素直な値段だと感じました。
取り分けで組むなら、単品にライス250円、秩父玉こんにゃく(冷)250円もあります。
もうひとつ、これは行ってみて安心したことなのですが、濡れた髪と川遊びあがりの格好で入っても、まったく浮かない空気でした。テーブルは木の天板、トレーは黒。特別に凝った内装ではなく、道の駅の食堂という言葉から想像する範囲のつくりです。着替えを完璧に済ませてから来なければ、という店ではありません。子連れにとっては、これが地味に大きい。
川で遊んでから濡れた髪のまま入る、という流れでした。その川遊びのほうは道の駅あしがくぼの川遊びに書いています。
そばアレルギーの人は、掲示を先に読んでほしい
これは記事に必ず入れておこうと思っていた話です。店内に、アレルギーに関する注意書きが掲示されていました。
- うどん・そば・焼きそば・ラーメンの麺は同一ラインで製造。茹でる釜は分けているものの、器具類は同じものを使用しているため、微量のそば粉が混入する恐れがある。そばアレルギーの方は注意
- 天ぷら粉の製造工場では、小麦・卵・乳成分を含む製品を生産している
- ざるそば・ざるうどんに使っている刻みのりは、えび・かにが生息する海域で採取されたもの
さらに、店内にはアレルゲンの一覧表も掲示されています。該当する人は、注文前に一度見ておくと安心です。
ラーメンだから麺つながりのリスクはない、とは言い切れない書き方になっている点は、素直に丁寧だと思いました。

紅茶の話に戻ります
冒頭に書いたとおり、この一杯は道の駅の公式サイトで「横瀬ラーメン(紅茶ラーメン)」として紹介されています。秩父産の和紅茶をスープに使っているとされる一杯です。
私はそれを知らずに券売機のボタンを押しました。だから、探しませんでした。「紅茶はどこだ」と思いながら飲んだわけではない。ただ普通に、澄んだ醤油スープのラーメンとして最後まで飲みました。気づかなかった、というより、気づこうとしていなかった。
帰ってから知って、「言われてみれば、この澄んだ感じがそうなのか」と思った程度です。それ以上のことは、正直に言って書けません。
ただ、あとから考えて悪くなかったなと思っているのは、先入観ゼロで一杯を飲めたことです。紅茶ラーメンだと知っていたら、私は間違いなく一口目から探しにいったはずで、たぶん「言われてみれば紅茶っぽい」と自分に言い聞かせて帰ってきた。知らずに飲んで出てきた「素朴」という感想は、この店に対して私が出せるいちばんフェアな評価だったと思っています。
そして、その感想はもう二度と取れません。次に頼むときには、私はもう知っている。
結局、また食べるか
食べます。ただし「ここでしか食べられない衝撃の一杯」を求めて行くのではなく、川で遊んだあとの流れでそのまま座れる場所として。この立地でこの安定感なら十分です。
もし次に横瀬ラーメンを頼むなら、また大盛りにします。あのチャーシューを2枚食べたあとで麺が足りないのは、それはそれで悲しいので。
メニューと価格(2026年8月1日時点)
以下は訪問日に店内のメニュー表で確認した価格です。うどん・そば・ラーメン類は「並/大」の順。

ラーメン・焼きそば
- 横瀬ラーメン 1,150/1,300
- トンロウ麺 1,050/1,200
- 秩父雲海ワンタンメン 1,050/1,200
- あしがくぼ焼きそば 850/特大1,150
- ふわとろオム焼きそば 1,100
- 中華あんかけ焼きそば 1,100
うどん
- ざるうどん 730/880
- ざるうどん舞茸天ぷら 1,300/1,450
- ざるうどん海鮮かきあげ 930/1,080
- かけうどん(温) 680/830
- 舞茸天うどん(温) 950/1,100
- 海鮮かき揚げうどん(温) 880/1,030
そば
- ざるそば 790/990
- ざるそば舞茸天ぷら 1,350/1,550
- ざるそば海鮮かきあげ 990/1,190
- かけそば(温) 730/930
- 舞茸天そば(温) 990/1,190
- 海鮮かきあげそば(温) 930/1,130
ご飯・丼
- 秩父名物わらじカツ丼 1,280/1,400
- 秩父名物豚味噌丼 1,280/1,400
- 秩父名物ミックス丼 1,280/1,400
- カレーライス 930/1,050
- カツカレー 1,200/1,320
- 秩父麦みそホルモン焼定食 1,500
サイドメニュー
- 秩父名物みそポテト 1本 300
- 舞茸天ぷら 500
- 秩父玉こんにゃく(冷) 250
- もつ煮込み 580
- ライス 250
新発売として「冷たい梅おろしうどん 780円(税込)」の掲示もありました。
なお、税込か税抜かはメニュー表に明示がなく、梅おろしうどんだけが「(税込)」と書かれていました。他の品の税区分は分かりません。価格は変わることがあるので、実際の金額は店頭で確認してください。営業時間なども含め、最新の情報は道の駅の公式サイトで確認するのが確実です。
わらじカツ丼・豚味噌丼・みそポテトあたりは、秩父でよく見る顔ぶれです。妻はそのみそポテトを1本だけ追加していました。麺類に300円の串を1本足すだけで、卓の上が一気に秩父らしくなります。
